抜歯と非抜歯について
きれいな歯並び”と“自然な口元”のために
「矯正するときって、歯を抜いた方がいいんですか?
それとも、抜かない方がいいんですか?」
――これは、矯正相談でとても多い質問です。
今日は、抜歯と非抜歯について、患者さん目線でわかりやすく解説します。
1. 抜歯と非抜歯の違いって?
抜歯矯正
・小臼歯(前から4番目・5番目)を2〜4本抜いてスペースを作る方法
・口元をスッキリさせたい場合や、歯並びのガタガタが大きい場合に選ばれます
非抜歯矯正
・歯を抜かずに、歯列を広げたり奥に動かしたりしてスペースを作る方法
・親知らず(8番)は矯正のために抜いても、抜歯矯正にはカウントしません。
ポイント
親知らずを抜く=抜歯矯正とは限りません
2. 見た目にどんな違いが出るの?
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抜歯矯正 → 前歯をしっかり後ろに下げられる → 口元がスッキリ
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非抜歯矯正 → 前歯はあまり下げられない → 口元が出ることもある
無理な非抜歯矯正をすると
「見た目はきれいだけど、口元だけ出っ張ったまま」
いわゆる “きれいな出っ歯” になるリスクがあります。
3. 非抜歯でできること・できないこと
非抜歯矯正では、こんな方法でスペースを作ります:
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歯列を横に広げる(側方拡大)
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奥歯を後ろに動かす(遠心移動)
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歯の側面を少しだけ削る(IPR)
でも、どれも限界があります。
例:上の奥歯を後ろに動かせるのは 2〜3mmが限界。(1mmも下がらないことも)
無理に横に広げすぎると後戻りすることもあります。
4. 矯正は「見た目」も「機能」も大事
きれいな歯並びだけでなく機能も大事です。
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自然に口が閉じられるか
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鼻で呼吸できるか
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噛み合わせが安定するか
例えば、前歯が出すぎると口を閉じにくくなり、
顎に『梅干しジワ』ができたり、口呼吸になりやすくなります。
これは健康面でも歯並びの安定性でも不利なんです。
まとめ
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抜歯か非抜歯かは、歯並び・口元・機能をトータルで考えて決める
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無理な非抜歯は「きれいな出っ歯」や後戻りの原因になる
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大切なのは「見た目+機能+長期安定性」
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患者さんと一緒に考え、納得して決めることが大事
当院では、見た目だけでなく「自然な口元」と「噛みやすさ」を大切にしています。
抜歯・非抜歯で迷っている方は、ぜひ一度ご相談ください。