子供の矯正治療はいつ始めるのがいいの?
子供の矯正治療はいつ始めるのがいいの?
子供の矯正治療は、大きく 一期治療(準備矯正) と 二期治療(最終矯正=成人矯正と同じ) に分かれます。
治療開始のベストタイミングは、不正咬合(かみ合わせのタイプ)や成長の度合いによって変わってきます。
一期治療(準備矯正)とは?
-
主に小学生の 乳歯から永久歯への生え替わり時期 に行う矯正
-
永久歯がきれいに並ぶスペースを作ったり、顎の成長をコントロールしたりする
-
将来の二期治療(本格矯正)をスムーズにする「土台作り」(一期治療だけで綺麗に並ぶこともあります)
二期治療(最終矯正)とは?
-
永久歯(親知らずは除く)が生え揃った状態で開始する
-
成人矯正と同じ治療で、歯並び・咬み合わせを最終的に仕上げる治療
-
通常は 12歳臼歯(7番)が生えたあと にスタートするのが基本
不正咬合タイプ別の治療開始目安

🔹 上顎前突(出っ歯/2級)
-
一期治療: 小学校中学年(7〜10歳ごろ)、側方の乳歯(C・D・E)が永久歯(3・4・5)に生え替わる時期が目安
-
歯の生え替わりの流れを見ながらタイミングを判断
🔹 下顎前突(受け口/3級)
-
一期治療: 可能なら早期に開始(5〜6歳が目安。マウスピース型なら3歳からも可能な場合あり)
→ 上顎の成長は10歳前後までなので、それまでに成長誘導するのが効果的(下顎の成長を抑え込むことは困難) -
二期治療: 下顎の前方成長が強いタイプでは、成長が止まるまで待ってから開始(女子は中学生ごろ、男子は高校生ごろ)
🔹 叢生(ガタガタの歯並び)
-
顎を広げる治療を行う場合もあるが、永久歯が大きすぎる場合は将来的に抜歯が必要になることも
-
その場合は一期治療をせず、二期治療のみで対応する選択肢もある
🔹 開咬(前歯が噛み合わない)
-
主因は 舌癖(舌を前に出す癖)
-
治療: 舌の筋トレ(MFT)やタングクリブ(装置)を使う
-
小学校中学年が一般的だが、MFTができる子はもっと早く始めるのが理想
二期治療の開始タイミングと例外

-
基本は 7番(12歳臼歯)が萌出してから
-
ただし、7番が生えるスペースがない場合は、生え揃うのを待たずに二期治療を始めることもある(治療中にスペースを作って萌出させる)
成長と矯正の関係
-
上顎骨: 10歳前後で成長がほぼ終了
-
下顎骨: 身長の伸びと連動して成長(女子は中学、男子は高校まで続くことも)
-
→ この違いが、受け口の一期は早く・二期は遅めという理由になっている
生活イベント(受験など)との調整
-
二期治療は 1〜2年開始が遅れても治療結果は変わらない
-
そのため、受験期は無理に始めず、落ち着いてからでOK
-
家族の予定や学校生活とバランスをとることが大切
まとめ
子供の矯正治療は「いつ始めるか」で効果が大きく変わることがあります。ただし、焦って始める必要はなく、お子さんの成長・性格・生活に合わせた最適なタイミングを見極めることが大切です。
気になる方は矯正相談にいらしてください。年に一度の検診やレントゲンで経過を確認しながら、矯正専門医と一緒に計画を立てていきましょう。
監修医師
萩田 洋児
略歴
- 1995年
- 福岡歯科大学 卒業
- 1995年
- 歯科医師免許取得
- 1995年4月~1998年3月
- 広島大学歯学部付属病院歯科矯正科に勤務
- 1998年4月~2007年8月
- 都内の矯正歯科専門医院に勤務
- 2007年11月
- 恵比寿エスト矯正歯科開業
- 2018年11月〜
- 日本舌側矯正歯科学会理事
取得資格
- 日本矯正歯科学会認定医
- 日本成人矯正歯科学会認定医
- 世界舌側矯正歯科学会認定医 (WORLD SOCIETY OF LINGUAL ORTHODONTICS Active Member)
メッセージ
「見た目の美しさと機能性の両立」をコンセプトに、患者さん一人ひとりに最適な矯正治療を行っています。歯並びを整えるだけでなく、正しい噛み合わせを再構築し、長期的に自分の歯で健康に過ごせる口腔環境づくりを重視しています。顔全体のバランスや笑顔の印象にも配慮し、裏側矯正(リンガル矯正)やマウスピース型矯正など、ライフスタイルに合わせた治療方法を提案。治療後の後戻り防止やメインテナンスにも力を入れ、“美しく噛める歯並び”を長く保てるようサポートしています。






