ホワイトワイヤーってどうなの?
ホワイトワイヤーってどうなの?
〜見た目だけで選ぶ前に知ってほしいホワイトワイヤーのメリットデメリット〜
矯正装置が目立つのが気になる…という方の中には、「ホワイトワイヤー」を希望される方もいらっしゃいます。
白くコーティングされたワイヤーは、たしかに見た目が自然で一見きれいに見えます。
しかし、実際の治療では注意すべき点がいくつかあります。
🔸ホワイトワイヤーとは?
ホワイトワイヤーとは、通常の金属製ワイヤーに白い塗料をコーティングして、見た目を良くした矯正用のワイヤーです。
基本的に、白い金属というものは存在しないため、金属ワイヤーの表面に白いペンキを塗ったようなものになっています。
そのため、使いはじめは綺麗でも、時間の経過とともに変化が起こります。

🔸メリット 表側矯正装置の中では最も目立たない
セラミックブラケットに、ホワイトワイヤー・モジュールや白い結紮線の組み合わせは、ラビアル(表側矯正)においては最も審美性に優れているといえるでしょう。
🔸デメリット① コーティングが剥がれる
ホワイトワイヤーは1〜2ヶ月ほどで白い部分が剥げてくることが多く、
逆に金属色がまだらに見えてしまうことがあります。
最初は目立たないはずが、途中からかえって目立ってしまうということもあります。

🔸デメリット② 歯の動きが悪くなる
矯正治療では「摩擦の少なさ」がとても大切です。
歯がスムーズに動くことで、効率よく治療が進みます。
しかしホワイトワイヤーのコーティングは摩擦を増やしてしまうため、
歯の動きを妨げ、治療期間が延びてしまうことがあります。
🔸デメリット③ 本来の力が出ない
ホワイトワイヤーは、コーティングの厚みの分、ワイヤー本来のサイズより細いワイヤーとしてしか機能しません。
たとえば「0.016インチ」と書かれていても、実際の金属は「0.014インチ」ほどの働きしかありません。
その結果、歯を動かす力が弱まり、治療効率やスピードが落ちることになります。
🔸デメリット④ ワイヤーの種類が少ない
通常の金属ワイヤーは、治療の段階ごとに多数の種類があります。
しかしホワイトワイヤーは、通常のワイヤーに比べると種類が限られています。
そのため、治療のはじめのほうはホワイトワイヤーを使えていたとしても、途中からは通常の金属ワイヤーを使用しないと、最後まで上手く治療ができないケースがあります。
🔸審美性を重視したい方へ:より確実な選択肢
「見た目をできるだけ目立たせたくない」という方には、
当院では、ホワイトワイヤーよりも、舌側矯正(裏側矯正)をおすすめしています。
歯の裏側に装置があり正面からほとんど見えないためホワイトワイヤーと比較しても圧倒的に審美性に優れます。
また、ワイヤー本来の性能を損なわずにスムーズに治療を進められます。
🔸まとめ
ホワイトワイヤーは「見た目が良いから」という理由で選ばれることが多いですが、
上記のようなデメリットもあるので、ご希望であれば使用することもできますが当院でおすすめはしておりません。(使用するとしても、はじめの数回の使用をおすすめしています)
もし見た目を重視される場合は、より審美性に優れた舌側矯正などをご提案しています。
監修医師
萩田 洋児
略歴
- 1995年
- 福岡歯科大学 卒業
- 1995年
- 歯科医師免許取得
- 1995年4月~1998年3月
- 広島大学歯学部付属病院歯科矯正科に勤務
- 1998年4月~2007年8月
- 都内の矯正歯科専門医院に勤務
- 2007年11月
- 恵比寿エスト矯正歯科開業
- 2018年11月〜
- 日本舌側矯正歯科学会理事
取得資格
- 日本矯正歯科学会認定医
- 日本成人矯正歯科学会認定医
- 世界舌側矯正歯科学会認定医 (WORLD SOCIETY OF LINGUAL ORTHODONTICS Active Member)
メッセージ
「見た目の美しさと機能性の両立」をコンセプトに、患者さん一人ひとりに最適な矯正治療を行っています。歯並びを整えるだけでなく、正しい噛み合わせを再構築し、長期的に自分の歯で健康に過ごせる口腔環境づくりを重視しています。顔全体のバランスや笑顔の印象にも配慮し、裏側矯正(リンガル矯正)やマウスピース型矯正など、ライフスタイルに合わせた治療方法を提案。治療後の後戻り防止やメインテナンスにも力を入れ、“美しく噛める歯並び”を長く保てるようサポートしています。






