カウンタークロックワイズローションと開咬(かいこう)の治療

カウンタークロックワイズローテーションとは?
横顔(セファロ:側貌レントゲン)を右側から見たとき、 下あごの関節(顎関節)を中心に前方・上方へ回転(反時計回り)する動きを「カウンタークロックワイズローテーション」と言います。
下あごが「前に出て・上に持ち上がる」ように動くのが カウンタークロックワイズローテーションです。

この動きによって、
* 下あごが自然に前に出る

* 顔の下半分が短く見える

* 口が閉じやすくなる

といった、顔全体のバランス改善につながることがあります。


ロングフェイス・開咬タイプに効果的な理由
「鼻の下からあごまでが長い」「前歯が噛まない」
こうしたタイプでは、下あごが少し下がってしまっていることが多く、
下あごを前上方向に回転させることで、顔の下半分が短く・自然に整うことがあります。
特に、奥歯が一部しか噛んでいない開咬の方では、
その噛んでいる奥歯を少し「圧下させる(歯を根の方向に沈める)」ことで、
奥歯がかみ合い、下あご全体が回転していく。
この“奥歯を沈める動き”が、この治療のポイントです。

「歯を沈める」動きは難しい
歯を根の方向に押し込む動き(圧下)は、
矯正治療の中でも最も難しい動きのひとつです。
力のかけ方が繊細で、時間もかかります。

 

注意が必要なケースも
すべての方にこの方法が向いているわけではありません。
もともと下あごが前に出ている(受け口)タイプの方に行うと、
下あごがさらに前に出て見えてしまうというリスクもあります。
また、下あごを回転させても、
舌のクセ(舌癖)が残っていると再び開咬が戻ってしまうこともあります。
そのため、治療と同時に「舌のトレーニング(MFT)」を行い、
正しい舌の位置・飲み込み方を身につけることがとても大切です。

まとめ
カウンタークロックワイズ回転は、
力まかせに歯を動かす治療ではありません。
顔全体のバランス、骨格、噛み合わせ、舌の動き
それらを総合的に考えて、行う治療です。

✅ 開咬・ロングフェイスでは有効な場合がある


✅ 下あごを前上方向に回転させることで顔貌改善


✅ アンカースクリューにより精密なコントロールが可能


✅ 舌癖の治療(MFT)が安定のカギ


✅ 症例によっては適応外となる場合もある

もし「口が開きやすい」「下顔面が長い」などのお悩みがある場合は、
矯正専門の歯科医院で骨格と噛み合わせのバランスを含めた診断を受けにいらして下さいね。

監修医師

萩田 洋児

略歴

1995年
福岡歯科大学 卒業
1995年
歯科医師免許取得
1995年4月~1998年3月
広島大学歯学部付属病院歯科矯正科に勤務
1998年4月~2007年8月
都内の矯正歯科専門医院に勤務
2007年11月
恵比寿エスト矯正歯科開業
2018年11月〜
日本舌側矯正歯科学会理事

取得資格

  • 日本矯正歯科学会認定医
  • 日本成人矯正歯科学会認定医
  • 世界舌側矯正歯科学会認定医 (WORLD SOCIETY OF LINGUAL ORTHODONTICS Active Member)

メッセージ

「見た目の美しさと機能性の両立」をコンセプトに、患者さん一人ひとりに最適な矯正治療を行っています。歯並びを整えるだけでなく、正しい噛み合わせを再構築し、長期的に自分の歯で健康に過ごせる口腔環境づくりを重視しています。顔全体のバランスや笑顔の印象にも配慮し、裏側矯正(リンガル矯正)やマウスピース型矯正など、ライフスタイルに合わせた治療方法を提案。治療後の後戻り防止やメインテナンスにも力を入れ、“美しく噛める歯並び”を長く保てるようサポートしています。

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